航海用電子海図



AISの表示方法:OpenCPNと電子海図 ショップ調べ

小型船舶にAIS送受信機を船に取り付けたり、AIS受信機を用意したりして、そのAIS信号を確認したり、電子的海図上に船舶位置を画像として見ることは、当然の期待です。

お財布に余裕がある方は、AIS対応GPSプロッター(いわゆるAISプロッター)又はAIS対応レーダーを購入すれば、電子海図上にすぐにAIS情報が見られるでしょう。なお旧型のプロッターにはAISを表示できない(ただのGPSプロッター)製品があるので注意が必要です。

ここでは、PCに評判の良いOpenCPNに海上保安庁の正式なENC(電子海図)を使う方法を、参考にしてチャレンジしてください。

気の短い方は、「インストール・設定手順」に進んでください。前提は、ノートブック型などのWindows PCが用意できて、次の知識があることです。



(Windowsバージョン)


必要な知識・経験


・AIS無線受信機(シリアルポートなど)があることが前提になります。
・USB、シリアルインターフェース、COMポートなどPCのインターフェース設定とデバイスなどのドライバーダウンロードなどの知識。PCの知識は重要ですが、入門者でもやる気があり、時間があれば大丈夫でしょう。
・国外のシステム・情報などがほとんどなので、英語力があれば楽ですが、このマニュアルで目的は達成すると思います。



AIS受信の基礎


AIS送受信システム(AISトランスポンダーとも言う)はデータ無線通信技術の一つで、M2M(Machine To Machine:装置同士の自動通信)なので、基本は全く自動です。
船舶から送信されるAIS電波は、携帯電話の無線通信と同じようなデータ通信です。この信号をAIS受信機はデコーダーでPCなどが理解できるシリアル信号に変換して出力します。どのようにAIS船舶情報を活用するかは受信信号の表示方法になります。
AIS技術要素概要
*送信出力:SOLAS船(ClassA)は12.5W、小型船舶(ClassB)は2W
*送信周波数:161.975Mhz(ch87) と162.025Mhz(ch88) 到達半径:60NM(理論値)
*電波形式: F1D (周波数変調デジタル)GMSK
*信号出力:シリアルRS232/RS422 38,400Baud 相互通信
*シリアル信号:NMEA0183 VDMメッセージなど



PCとの接続


AIS信号の出力は、データシリアルポート(RS232c)通信速度は38400 bit/s で出され、PCのシリアルポート(RS232c)に入力します。そしてCOMポートの確認と速度設定(38400 bit/s )をします。これでPC上のアプリが入力データを利用できます。物理的なコネクターはD-sub9ピン、ケーブルはストレートですが、最近のPCにはUSBしか付いていないので、“シリアル・USB変換”コネクター又はケーブルが必要です。通販などで1,000円前後で買えます。その際専用(付属かダウンロード)のドライバーのインストールが必要です。



電子海図の簡単な説明


小型船舶で扱うシステムは正確には、電子海図と電子海図表示システム(ECS)で、本船(SOLAS船)などに備付が義務されている電子海図表示情報システム(ECDIS)とは要件が異なります。興味がある方は水路協会などが詳しく説明しています。

□一般財団法人 日本水路協会
http://www.jha.or.jp/

PCをAISプロッターにするには、電子海図と表示コントロールするソフトの二つが必要で、セットで検討する必要があります。特に船舶上で使用する場合は、衝突警報などの機能を持つ表示コントロールソフトウエア(ナビゲーションソフトウエア)は重要です。



インストール・設定手順


おすすめのOpenCPNで、正規の航海用電子地図(ENC) を利用する方法
0.(事前準備)・AIS信号(NMEA0183シリアル)出力のUSB接続準備
・使用するPCにOpenCPNをインストーしておいてください。
1.(準備) OpenCPNにS-63というプラグインを入手しインストールします。
O-chartsというネットショップでOpenCPN用のユーザーパーミットを購入。
https://o-charts.org/shop/en/6-s-63
手続きと購入が終ると、”My account”に28桁の文字番号が発行されています。
2.海図ネットショップからENCを購入します。
https://www.jha.or.jp/shop/
ENC購入には海図ネットショップにユーザ登録が必要です。
ENC購入時に、ユーザパーミット(28桁)が必要です。
3.メディアなどからデータをPCにアップロードしてください.
4.普通にOpenCPNから必要な電子海図のデレクトリーを指定してください。