小型船舶の電子化で命を守ろう!
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AISの表示方法:OpenCPNとCM93電子海図 2014.01ショップ調べ

小型船舶にAIS送受信機を船に取り付けたり、AIS受信機を用意したりして、そのAIS信号を確認したり、電子的海図上に船舶位置を画像として見ることは、当然の期待です。

お財布に余裕がある方は、AIS対応GPSプロッター(いわゆるAISプロッター)又はAIS対応レーダーを購入すれば、電子海図上にすぐにAIS情報が見られるでしょう。なお旧型のプロッターにはAISを表示できない(ただのGPSプロッター)製品があるので注意が必要です。

ここでは、PCと周辺機器接続のテクニックを利用して、無料でこの目的を実現するヒントを書きますので、参考にしてチャレンジしてください。楽しんで工夫したい方向けです。

気の短い方は、「インストール・設定手順」に進んでください。

前提は、ノートブック型などのWindows PCが用意できて、次の知識があることです。

(WindowsのバージョンはXP, 7に対応)

<必要な知識・経験>
・AIS無線受信機(シリアルポートなど)があることが前提になります。
・USB、シリアルインターフェース、COMポートなどPCのインターフェース設定とデバイスなどのドライバーダウンロードなどの知識。PCの知識は重要ですが、入門者でもやる気があり、時間があれば大丈夫でしょう。
・国外のシステム・情報などがほとんどなので、英語力があれば楽ですが、このマニュアルで目的は達成すると思います。

<AIS受信の基礎>
AIS送受信システム(AISトランスポンダーとも言う)はデータ無線通信技術の一つで、M2M(Machine To Machine:装置同士の自動通信)なので、基本は全く自動です。
船舶から送信されるAIS電波は、携帯電話の無線通信と同じようなデータ通信です。この信号をAIS受信機はデコーダーでPCなどが理解できるシリアル信号に変換して出力します。どのようにAIS船舶情報を活用するかは受信信号の表示方法になります。
AIS技術要素概要
*送信出力:SOLAS船(ClassA)は12.5W、小型船舶(ClassB)は2W
*送信周波数:161.975Mhz(ch87) と162.025Mhz(ch88) 到達半径:60NM(理論値)
*電波形式: F1D (周波数変調デジタル)GMSK
*信号出力:シリアルRS232/RS422 38,400Baud 相互通信
*シリアル信号:NMEA0183 VDMメッセージなど

<PCとの接続>
AIS信号の出力は、データシリアルポート(RS232c)通信速度は38400 bit/s で出され、PCのシリアルポート(RS232c)に入力します。そしてCOMポートの確認と速度設定(38400 bit/s )をします。これでPC上のアプリが入力データを利用できます。物理的なコネクターはD-sub9ピン、ケーブルはストレートですが、最近のPCにはUSBしか付いていないので、“シリアル・USB変換”コネクター又はケーブルが必要です。通販などで1,000円前後で買えます。その際専用(付属かダウンロード)のドライバーのインストールが必要です。

<電子海図の簡単な説明>
小型船舶で扱うシステムは正確には、電子海図と電子海図表示システム(ECS)で、本船(SOLAS船)などに備付が義務されている電子海図表示情報システム(ECDIS)とは要件が異なります。興味がある方は水路協会などが詳しく説明しています。
http://www.jha.or.jp/
電子海図のテクニカルな種類は、地理オブジェクトベース方式の「ベクトル海図」と紙海図をスキャンした画像複製ファイル「ラスター海図」です。日本の公式海図としては、「ベクトル航海海図(ENC)」は海上保安庁が取扱い、「ラスター航海海図(RNC)」は水路協会が扱っています。NewPECは後者に相当します。公的な海図などは小型船舶には高価過ぎます。また、NewPECはAISに対応していませんので、我々には使えません。

小型船舶用の電子海図の経済的な入手は閉鎖的な日本では特別困難な課題です。
我々によさそうな非公式海図(私的海図)がいくつかあります。日本海域をカバーしている非公式海図は以下になります。
* Furuno海図(通称):古野電子の独自海図(自社製品向けのみ、詳細不明)
* C-MAP:世界で日本の水路協会だけが違法海図とか言っていますが、根拠なし。
* Open Sea Map 又は Open Navigation Map:無料公開 未完成
ここでは、FreeSoftware(無料)のC-MAP系CM93という非公式電子海図を使います。
(注:非公式海図と言うのは、違法海図ではなく、国が発行していない、私的海図のことです)

<AIS表示アプリと電子海図>
PCをAISプロッターにするには、電子海図と表示コントロールするソフトの二つが必要で、セットで検討する必要があります。特に船舶上で使用する場合は、衝突警報などの機能を持つ表示コントロールソフトウエア(ナビゲーションソフトウエア)は重要です。

インストール・設定手順(OpenCPNとCM93電子海図)
”OpenCPN”は無料の安定した使いやすいAIS表示コントロールソフトウエアになります。
ベクトルチャートCM93をインストールすれば立派なAIS/GPSプロッターになります。
注意は、ナビゲーションに使用する際には、参考に使うことです。港、湾岸など海図のレベルと精度が低いので、入港などには絶対に使えません。また海路情報は10年間程アップデートされていません。良きシーマンシップで活用されてください。

[OpenCPNのインストール]
OpenCPNのダウンロードページhttp://opencpn.org/ocpn/download
Windowsを使う場合、 Download OpenCPN 3.2.2 for Windows® XP SP3/Vista/7/8 をクリックしてダウンロードして、解凍・インストールをしてください。デスクトップにアイコンが出来ると思います。まだ次の地図がインストールされていませんので、使えません。

[CM93ダウンロード]
<注:現在、サイトが閉鎖されています、当ショップのお客様には、別途入手方法をご案内しますので、ご連絡ください>
C-Map CM93 Edition 2 の下記の3個のファイルを全部ダウンロードして、解凍。
• CM93 Ed2 Part 1 (0.5MB)
• CM93 Ed2 Part 2 (500MB)
• CM93 Ed2 Part 3 (500MB)
注意は、この3個のファイルを“CM93”とか分かり易いフォルダーに全部まとめることです。全部で約1.2GBと大きいですから、PCの容量に気を付けてください。また時間もかかります、ゆっくり時間がある時に実施してください。これで地図データが用意できました。あとは、AISをこの海図に表示するように設定します。

[OpenCPNでCM93を表示できるように設定]
OpenCPNを立ち上げます。(英語表記はアイコン、タブ、ウインドウ、ボタンなどの表題です)

1.Options ->Charts-> Loaded Charts
  右側のAdd Directoryをクリックして、先の地図データのフォルダーを選びます。
  フォルダーを選び、確定するためには下のApplyボタンをクリックします。
2.Options ->Charts-> Vector Charts
Disply CategoryはOtherを選んでください。他はそのままです。
3.設定ウインドウを閉じると、スケールの大きな地図が表示されるはずです。
  地図データが存在する場合に、地図上に紫色線の四角形が表示されます。そこをクリックすると、必要な地図データが表示のためSENCに変換されて表示準備されます。この時、地図画面下に黄色などのバーでデータの存在を表示します。一度表示のため変換されたデータは保持されますので、次回使用時には早く使用できます。

なお、OpenCPN はメルカトール法の表示を採用しているので、南極圏(南緯70度以南)・北極圏(北緯70度以北)では使えないようになっています。


[OpenCPNでAISを表示]
やっと本題のAIS表示設定です。OpenCPNでシリアルポート、COMを設定するだけです。
Options ->ConnectionsのData Connections欄のAdd Connectionをクリック
Properties欄を以下のように設定;
 タイプ=>Serial
 DataPort=>COMx(RS232,USBなど、xはデバイスマネジャーで確認できる)
 Baudrate=>38400
 Applyボタンをクリックして確定する。
これで、AIS機器の出力が地図に表示されます。

[参考]その他の無償私的日本海図
未完成ですが、Open Sea Mapがあります。


Open Sea Map日本版を完成させるプロジェクトに関心のある方は、Open Street Map Japanにご連絡されるといいでしょう。
http://www.openstreetmap.org/